ご挨拶

この度、令和4年度の「日本放射線腫瘍学会 第59回生物部会学術大会・第50回放射線による制癌シンポジウム」の世話人をさせていただくことになりました。 近年、放射線を用いたがんの治療技術の関与する学問領域は医学のみならず、創薬化学や基礎生物学に関連したテクノロジーの発展と共に急速に拡大しつつあります。免疫チェックポイント阻害剤、粒子線治療、超高線量率放射線照射法(FLASH)などの新技術に基づいた研究や臨床応用が次々と進められています。また、癌組織の微小環境や特異的代謝が放射線感受性に深く関わって来ていることも明らかになってきており、その背景にある生物学的な機序の理解が欠かせないものとなって来ております。

その様な中で、次回の制癌シンポジウムのテーマは「放射線生物学からの癌治療イノベーション」を主テーマといたしまして、12年ぶりに札幌にて開催を予定しております。多方面の専門家を交えて基礎研究と臨床研究の対話と活発な議論の場にしたいと考えております。
皆様からの積極的な演題応募へのご協力をお願い致しますと共に、何卒、多数の方々のご参加とお待ちしております。

当番世話人
稲波 修(北海道大学大学院獣医学研究院・応用獣医科学分野・放射線学教室 )